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パールトーン加工の魅力とは?着物クリーニング方法やメリットデメリットを解説

着物を着たいけれど汚してしまうのが心配…と着物に抵抗がある方は多いでしょう。

ちょっと飲み物をこぼしただけも、あっという間にシミになってしまいますよね。

自宅でお手入れするのは難しいので、わざわざクリーニングに出すことになります。

そんな心配を軽減してくれるのが、優れた撥水性能をもつとして人気の高いパールトーン加工です。

汚れを気にせずに気軽に着物を楽しみたい!と、パールトーン加工を検討している方は多いでしょう。

しかし同時に「パールトーン加工の着物はクリーニングできる?」「パールトーン加工の具体的なメリットは?」など疑問もありますよね。

そこで今回の記事では、パールトーン加工の着物のクリーニング方法をはじめ、パールトーン加工のメリットデメリットをご紹介したいと思います。

今回の内容を見ていただくと、パールトーンの必要性がわかるので、納得した上で利用することができるでしょう。

パールトーン加工の着物とは?クリーニング方法やメリットを知りたい

着物を汚したくない、きれいな状態で保管したいという方なら、一度は「パールトーン加工」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

お茶やコーヒーをこぼしてもサッと拭くだけで汚れが取れてしまうというスゴイ撥水性を持っています。

しかし、パールトーン加工は何となくスゴイらしいとわかっていても、具体的な内容がわからない方も多いでしょう。

以下のような疑問がある方は多いのではないでしょうか。

パールトーン加工の着物はクリーニング方法がわかりにくい

まず気になるのが、パールトーン加工の着物のクリーニング方法ですよね。

パールトーン加工した着物は汚れがつきにくい効果がありますが、普通のお手入れとしてクリーニングには出したいですよね。

そんな時は普通の着物のようにクリーニングに出して良いのでしょうか。

クリーニングに出したことでパールトーン加工の効果が取れることはないのか心配ですよね。

パールトーンはメリットがわかりにくい

また、パールトーン加工をしておけば汚れないというメリットは何となくわかっていても、それ以外のメリットはちょっとわかりにくいかもしれませんね。

パールトーン加工を試してみる前に、具体的なメリットや、デメリットもあるなら把握しておきたいですね。

 

パールトーン加工を施して、着物の汚れを気にせず出掛けたい!と思っても、このような疑問があるままだと、なかなか試すことができません。

そこで次の章では、このような疑問をクリアにできるようにパールトーン加工の具体的な内容をお伝えしたいと思います。

パールトーン加工とは?メリットデメリット・着物クリーニング方法を解説!

着物汚れの心配が軽減される魅力的なパールトーン加工ですが、実態がわからない方も多いでしょう。

クリーニングする時にどうすれば良いかという疑問もありますよね。

そこでここからは、パールトーン加工の着物のメリットデメリットをお伝えしながら、具体的にどんな効果があるのか、クリーニングする時にはどうすれば良いか等を解説していきます。

パールトーン加工とは?

パールトーン加工の着物のメリットデメリットやクリーニング事情を考える前に、まずは基本情報からお伝えしておきましょう。

そもそもパールトーンって何?ということがわからないと、メリットデメリットを聞いてもピンとこないですよね。

パールトーン加工とは、着物などの衣類や繊維に対し撥水効果、汚れ防止効果を発揮する加工のことです。

優れた撥水効果により、水や油の汚れを弾きやすくなるため、着物に汚れがついてもサッと拭き取ることができます。

汚れが広がった場合でも簡単にお手入れできるところも魅力となっています。

このパールトーン加工とは、「株式会社パールトーン」の撥水加工・防汚加工の登録商標です。

着物のガード加工は色々ありますが、その中でも古い歴史があり、根強い人気のある加工技術となっています。

株式会社パールトーンの会社概要も見ておきましょう。

・社名:株式会社パールトーン
・本社:〒615-0005 京都市右京区西院春栄町2-1
・支店:三条工場、東京支店、名古屋支店、九州支店、仙台支店、札幌営業所があります。

株式会社パールトーンは現在は京都に本社がありますが、もともとは長崎県で誕生した会社です。

昭和4年、長崎県佐世保にて國松商会創業。

昭和33年(株)東京パールトーン設立という歴史ある会社です。

創業から90年以上の老舗企業ということで、パールトーンが古くから使われてきた技術であることがわかりますね。

パールトーン加工の着物のメリットデメリット

大まかな内容がわかったところで、具体的なメリットデメリットをご説明したいと思います。

パールトーン加工には着物を着たり保管する上で嬉しいメリットがたくさんある反面、デメリットもありますので注意が必要です。

パールトーン加工の着物の4つのメリット

まずはパールトーン加工を着物に施すことで、どんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

まずは、やはり「優れた撥水効果」があるということですね。さらに「本来の風合いを残すことができる」「通気性も失わない」「水を使ったお手入れができる」「カビ防止にも効果的」といったメリットも見逃せませんよ。

それでは1つずつご説明していきましょう。

メリット①優れた撥水効果

パールトーン加工のメリットとして一番に思い浮かぶのは、優れた撥水効果でしょう。

パールトーン加工は水も油も弾く効果があります。

雨の日にぽたぽた雨が垂れてきたり、泥がはねてしまった時は、すぐにシミになってしまますよね。

パールトーン加工がしてあれば、慌てずサッと拭き取ることができるのでシミになる心配がありません。

お天気が悪い日でも安心して着物を着て出かけることができますね。

醤油やソースなどの食べ物がはねてしまった時でも、同じようにサッと拭き取ることができるので、食事の席での緊張が和らぐでしょう。

パールトーン加工の他にも撥水効果のあるガード加工がありますが、パールトーンには段違いの効果があります。

その理由は、パールトーン加工は生地の表面だけでなく、繊維1本1本に水や油を弾きやすい成分をしっかり浸透させているからです。

これにより、優れた撥水効果が実現できているのです。

「着物を着たいけれど汚すのが心配だから…」という方も、パールトーン加工の撥水効果があれば、着物を着る機会が増えるかもしれませんね。

メリット②本来の風合いを残すことができる

さらにパールトーン加工のメリットは、絹本来の風合いを残せるということです。

「防水加工をしたいけど、せっかくの絹の着物がゴワゴワしそう…」と心配になる方もいるでしょう。

しかし、パールトーン加工の場合は、素材に合わせた加工を施すため、絹本来の風合いや、光沢などを損ねる心配がありません。

加工した前と加工した後の生地を触っても違いがわからないほどのクオリティの高さがありますよ。

メリット③通気性も失わない

また、防水加工で心配なのは通気性が悪くなることです。

防水加工は、生地の繊維の上に膜を張るようにして水や油を弾くように加工するため、通気性が悪くなり暑苦しく感じることもあるでしょう。

着物の表面にラップをしてしまうような感じですね。

通気性が悪くなると、着心地が悪いだけでなくカビの原因にもなってしまいます。

ところがパールトーン加工は、防水加工のように膜を張るのではなく、繊維1本1本に成分を染み込ませるので、通気性が悪くなる心配がありません。

蒸し暑さを感じることもなく、カビの心配もないので安心ですね。

メリット④カビ防止にも効果的

さらにパールトーン加工にはカビの発生を防止する効果も期待できます。

着物を保管する上で心配なのがカビですよね。

きれいにクリーニングしてから収納した着物でも、久しぶりに出してみたらカビ臭くなっていたり、カビが生えていることが少なくありません。

パールトーン加工には、保管している着物へのカビの繁殖を軽減する効果が認められています。

もちろん、高温多湿を避けたり、虫干しをする必要はありますが、それでもカビ発生が軽減されるということは嬉しいメリットと言えますね。

パールトーン加工の着物の2つのデメリット

このように、パールトーン加工は撥水効果に加えて、本来の風合いが残る、通気性も失わない、さらにカビ防止にも効果的というメリットが多いことがわかりました。

「パールトーン加工はメリットがわかりにくい」という疑問はクリアになりましたね。

しかし、メリットだけに飛びつく前に、デメリットも見ておきましょう。

パールトーン加工には2つほどデメリットが考えられます。

「料金が高い」「クリーニングするお店が限られる」ということです。

デメリット①料金が高い

パールトーンは一般的なガード加工よりも優れた効果がある分、料金は高めに設定されています。

以下は、パールトーン社の公式サイトにあるパールトーン加工の費用です。

小紋 15,400円(税込)
付下げ 15,400円(税込)
訪問着 15,400円(税込)
振袖 18,700円(税込)
留袖 18,700円(税込)
袋帯 12,100円(税込)

このように、なかなか高い料金設定になっていますね。

ちなみに、着物クリーニング専門店の「着物アライバ」のガード加工は一律で5,000円となっています。

他の加工と比べるとかなり高いことがわかりますね。

「もし汚れたら処分してもしかたない」と思うような着物の場合は、パールトーン加工をするのはちょっと勿体ない感じがしますね。

ただし、長く着続けたい着物であればどうでしょうか。

着物の場合、ちょっとしたシミでも自分で取るのは難しいため、着物クリーニング店でしみ抜きをしてもらう必要があります。

パールトーン加工をしておけば、そのようなシミでもサッと拭いてきれいにできるので、そのようなしみ抜き代が不要になるでしょう。

そう考えると、決して高くはないですね

デメリット②クリーニング方法が限られる

さらにパールトーン加工には、クリーニング方法が限られるというデメリットもあります。

このデメリットは、「パールトーン加工の着物はクリーニング方法がわかりにくい」という疑問の答えにもなりますので、詳しくご説明しますね。

パールトーン加工をすることで、ちょっとした汚れはサッと落としやすくなるので、クリーニングの回数やしみ抜きが必要になることは減るでしょう。

しかし、全く汚れがつかなくなるわけではないので、定期的にクリーニングには出してきれいにお手入れしたいですよね。

ところが、パールトーン加工の着物は、一般的な着物クリーニング店で「丸洗い」をすると、パールトーン加工が取れてしまうとう問題が生じるのです。

せっかくの撥水効果が減退してしまう可能性があるのです。

パールトーン加工をした着物は、パールトーン加工をしてもらったお店、もしくはパールトーン社のホームページにある取次店で洗ってもらう必要があります。

パールトーン加工の効果を損ねないような洗い方ができるのは、パールトーン社の取次店だけということですね。

つまり、パールトーン加工をしてしまうと「近所にある着物クリーニング店にお願いしよう」「格安の着物専門宅配クリーニングにお願いしよう」ということができないのです。

パールトーン社のホームページから、全国の取次店を検索することができるのでチェックしてみましょう。

基本的に格安店などはなく、クリーニング料金が高い呉服店が多いと思います。

「一度パールトーン加工をしてしまえば、この先ずっとクリーニング代が節約できる」というわけにはいきませんね。

クリーニングの回数は減っても、その分1回の利用料金がぐんと高くなる可能性があることは覚えておきましょう。

パールトーン加工の着物のメリットデメリットまとめ

ここまで「パールトーン加工の着物はクリーニングできる?」「パールトーン加工の具体的なメリットは?」という疑問を解消するために、パールトーン加工の着物のメリットデメリットをご説明してきました。

メリットは、

  1. 優れた撥水効果
  2. 本来の風合いを残すことができる
  3. 通気性も失わない
  4. カビ防止にも効果

の4つが考えられます。

パールトーン加工をすることで、着物を着る時の「汚したらどうしよう…」というストレスから解放されるでしょう。

しかも、他のガード加工とは違い、撥水効果を発揮しつつも本来の風合いや通気性はそのままというところが嬉しいですね。

さらに、カビ防止にも効果的というメリットまであります。

ただし、

  1. 料金が高い
  2. クリーニング方法が限られる

というデメリットがあるのでご注意ください。

特に気になるのが、クリーニングする方法が限られるということでしょう。

パールトーン加工をしても、永久的に洗わなくて良いわけではありませんので、それなりにクリーニングに出すことにはなります。

その場合は、パールトーン加工をしたお店、及びパールトーン加工済みの着物クリーニングに対応しているお店に委託するという方法になります。

取次店は、パールトーン社のホームページからチェックできます。

お住まいの地域にはどんなお店があるのかチェックしてみてから、パールトーン加工をするか判断することが大切ですね。

パールトーン加工はメリットが多い!ただしクリーニング方法は限られるので注意が必要

今回は、着物のパールトーン加工について解説してきました。

優れた撥水効果だけでなく、風合いや通気性はそのままであること、カビ防止効果があるなど、パールトーン加工にはメリットが多いです。

パールトーン加工を施すことで、着物汚れを気にせずに気軽に着ることができるでしょう。

しかしながら、パールトーン加工した着物は、クリーニング方法に問題があるため注意が必要です。

一般的な着物クリーニング店で洗うとせっかく施したパールトーン加工が取れてしまう恐れがあるのです。

そのため、パールトーン加工をした着物のクリーニング方法は、パールトーン社の取次店でクリーニングを委託するという方法のみになります。

お住まいの地域には、どのような取次店があるのかよく確認し、どれくらいのクリーニング費用がかかるのか確認する必要がありますね。

そのクリーニング方法を納得できるのであれば、パールトーン加工はとても魅力的と言えるでしょう。