一度着た着物は目立った汚れがなくてもクリーニングに出す必要があります。
デリケートな素材なので、自分でお手入れするのはちょっと難しいですよね。
しかし洋服とは違い、着物の場合はとこでクリーニングしてもらうか、が大きな問題です。
「近所のクリーニング店は気軽だけど本当に汚れが取れるか心配」「呉服店は安心だけどちょっと行きにくい」「着物専門クリーニング店はネットだから不安…」など、選択肢が多くて迷ってしまいますよね。
そこで今回は、着物クリーニングはどこですべきなのか考えていきたいと思います。
結論から申し上げますと、着物専門クリーニング店がおすすめです。
一般クリーニング店、呉服店と比較するとメリットが多く、「安心」かつ「お得」に着物クリーニングができるからです。
ただし、「信頼度の高い店ばかりではない」「ネットのやり取りなので不安」というデメリットもありますので詳しくお伝えしていきたいと思います。
着物クリーニングはどこでお願いすればいい?選択肢が多くてわかりにいくい
洋服の場合はいつも決まったクリーニング店を利用している方が多いでしょう。
しかし、着物の場合は洋服ほど頻繁にクリーニングに出すわけではないので、どこでクリーニングすべきか迷う方は多いと思います。
しかも、洋服の場合は一般的なクリーニング店に出すのが一般的なので迷いはありませんが、着物の場合は選択肢が多いので尚更迷ってしまいます。
以下のような方は多いのではないでしょうか。
着物クリーニングは色々あってわかりにくい
着物をクリーニングに出す場合、洋服のように近所のクリーニング店に出す人もいれば、行きつけの呉服店に出す人もいます。
さらに最近は、ネットの着物専門クリーニング店に出すこともできるので迷ってしまいますよね。
クリーニングに出した後に「もっと便利な出し方があった…」と後悔したくないですが、たくさんの選択肢を吟味するのも面倒ですよね。
自分に合った着物クリーニングを知りたい
また、「自分に合ったクリーニングの出し方はどれ?」という疑問もあります。
例えば、ポリエステルやウールなど比較的お手入れしやすい着物の場合は、わざわざ高い呉服店のクリーニングを利用する必要はないです。
また、ひどいシミがある場合は、一般クリーニングでは対応してもらえないので着物専門クリーニングが良いでしょう。
それぞれのお店の特徴を理解して、自分にとってメリットの多い出し方をしたいですね。
このように、着物をクリーニングに出そう思っても、このような問題があるとどこでお願いするかが決まらないですよね。
次の章ではこのような問題をクリアにするために、一般クリーニング店、呉服店、着物専門クリーニング店を比較しながら、あなたにとってどこで出すのが良いのか考えていきましょう。
着物をどこでクリーニングするか考えよう!一般店・呉服店・専門店の違いを解説
着物をクリーニングできるお店はたくさんあるため、どこに出せば良いのか迷ってしまいますよね。
着物をどこでクリーニングするか考えるためには、着物クリーニングに対応しているお店を3つに分けて考えるとわかりやすいです。
「一般クリーニング店」「呉服店」「着物専門クリーニング店」です。
一般の着物クリーニング店は、洋服クリーニングをメインとする普通のクリーニング店です。
呉服店は、着物の販売をメインにしているお店ですね。販売だけでなくクリーニングなどのお手入れを行っているお店も多いので、クリーニングを出すことができます。
着物専門クリーニング店は、洋服ではなく着物のクリーニングをメインとするクリーニング店です。
店舗をかまえているお店もありますが、全国対応の宅配クリーニングのスタイルが多いのが特徴です。
着物をクリーニングに出す時には、この3タイプのいずれかということになります。
それぞれの特徴を知ることで、自分に合ったクリーニングの出し方を知ることができるでしょう。
一般店・呉服店・専門店の特徴を比較!
それでは、この3タイプのクリーニングにはどのような違いがあるのでしょうか。
その違いを以下のような項目別にまとめましたのでご覧ください。
一般クリーニング店 | 呉服店 | 着物専門クリーニング店 | |
利用しやすさ | ◎ | △ | ◎ |
行きやすさ | ◎ | △ | ◎ |
コミュニケーションの取りやすさ | 〇 | △ | ◎ |
知識や技術 | △ | ◎ | ◎ |
ひどいシミなどへの対応 | △ | ◎ | ◎ |
料金 | △ | ✕ | 〇 |
信頼度 | 〇 | ◎ | △ |
このように、それぞれ得意とする部分、苦手な部分があることがわかりますね。
次の章では、この表を参考にしながらそれぞれのメリットデメリットをお伝えしていきましょう。
一般クリーニング店の「着物クリーニング」のメリットデメリット
まずは一般クリーニング店から見ていきましょう。
大手チェーンのクリーニング店や、個人で経営しているクリーニング店などですね。
洋服をメインにしていますが、着物や布団などさまざまなアイテムにも対応しているお店が多いです。
着物をクリーニングに出す場合にはどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。
メリット①気軽に利用できる
一般クリーニング店の一番のメリットは気軽に利用できることでしょう。
着物の知識などがなくても大丈夫なので利用しやすさがありますね。
近所にあることが多いと思いますので、気軽に行けるところも魅力です。
洋服と一緒にクリーニングに出すということもできますね。
メリット②店舗型なので安心感がある
一般的なクリーニング店は店舗型なので安心感があるというところもメリットです。
お店に着物を持っていくので、スタッフの方と直接コミュニケーションを取ることができます。
着物の状態を見てもらって「これくらいのシミは取れますか?」など直接相談することができますね。
ただし、お店によっては着物や自社工場でクリーニングせずに下請け工場に依頼するケースもあります。
その場合は直接要望を伝えたり相談することはできませんのでご注意ください。
メリット③素材によっては安心して出せる
一般のクリーニング店は着物を専門にしていないため、正絹の着物や装飾の多い着物などの対応には不安があります。
しかし、素材によっては安心して出せるというところはメリットと言えるでしょう。
ポリエステルやウールなど着物、浴衣などはそれほど高い技術を必要としないので、専門店でなくても安心してお願いできますね。
デメリット①仕上がりに満足できないこともある
続いてデメリットについて見ていきましょう。
気軽に利用できる反面、仕上がりに満足できないこともあるという難点があるので注意が必要です。
一般的なクリーニングは洋服をクリーニングするための機材を揃えているため、そもそも着物をクリーニングは無理がある場合が多いです。
また、着物洗いに関する知識や技術を持つスタッフがいることも少ないので、ひどいシミなどの対応には不安があります。
満足できる仕上がりにならないだけでなく、生地が傷んでしまったり、色が薄くなってしまうなどのトラブルが起きる場合も実際あります。
クリーニングする前に、「このようなシミには対応していません」と断られてしまうこともあるでしょう。
デメリット②料金にバラつきがある
クリーニング一般店で着物クリーニングをする場合、料金にバラつきが生じることが多々あります。
その理由は、先ほども触れましたが、下請け工場に委託しているケースがあるからです。
店舗と工場が一緒になっているクリーニング店の場合は、着物クリーニングであっても安い傾向にあります。
しかし、全国チェーンのクリーニング店の場合は下請け工場に委託するため、手数料が上乗せれているケースが見受けられます。
安いクリーニング店を見つけられれば良いですが、高い場合は敢えて選ぶ必要はないでしょう。
このように、着物を一般クリーニング店に出す場合には、「気軽に利用できる」「店舗型なので安心感がある」「素材によっては安心できる」というメリットがあります。
しかし「仕上がりに満足できない場合もある」「料金にバラつきがある」というデメリットがあるのでご注意ください。
ポリエステルやウールなどの着物をクリーニングしたいという方には向いていますが、それ以外のケースは敢えて利用する必要はないと言えますね。
呉服店の「着物クリーニング」のメリットデメリット
着物販売を行っている呉服店の中には、クリーニングにも対応しているケースがあります。
そのような呉服店で着物クリーニングする場合、どのようなメリットデメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット①仕上がりの良さが期待できる
クリーニングにも対応している呉服店の場合、クリーニングは下請け工場など別のところで行っています。
「下請け工場がクリーニングするのか…」とちょっとガッカリしたかもしれませんね。
しかし、着物のプロである呉服店が選んだ業者がクリーニングを行っているので、質の高い着物クリーニングが期待できます。
もし質の悪い業者に委託してしまうと、呉服店自体の評判も下がってしまうため、信頼できる業者を選んでいるでしょう。
良い呉服店であるほど、仕上がりの良さが期待できると言えます。
メリット②ひどいシミなどにも対応してもらえる
着物専門のクリーニング業者が対応しているため、ひどいシミなどにも対応してもらえるでしょう。
一般クリーニング店では断られたような汚れでも、呉服店なら快く受けてもらえるかもしれませんね。
メリット③信頼度が高い
さらに呉服店のメリットは信頼度が高いということです。
呉服店として着物に対するプライドがあるため、適当なクリーニングはしていないでしょう。
また、店舗をかまえているので直接お店とやりとりできる信頼度の高さもありますね。
デメリット①気軽に利用しにくい
質の高さと信頼度の高さがある呉服店ですが、いくつかデメリットもあります。
まず1つ目は気軽に利用しにくいということです。
行きつけの呉服店があり、そこでクリーニングを頼むという方は気軽に利用できるでしょう。
しかし、呉服店で着物を購入する習慣がない方の場合は、呉服店に入るのはちょっと勇気がいりますよね。
「クリーニングをお願いしたいだけなのに購入を進められたらどうしよう」「着物の知識がないから恥ずかしい」など利用しにくさを感じる方は多いと思います。
実際に、クリーニングをお願いすると、着物購入をおすすめされるケースもありますのでご注意ください。
デメリット②料金が高い傾向にある
呉服店の着物クリーニングの一番の難点と言えるのが、料金が高いということです。
前述したように、呉服店ではクリーニングは行っていないため、下請け業者に委託することになります。
その手数料がクリーニング料金に上乗せされるので、自社工場でクリーニングしている一般クリーニング店、着物専門クリーニング店に比べると割増料金になっています。
このように、呉服店の着物クリーニングには「仕上がりの良さが期待できる」「ひどいシミなどにも対応してもらえる」「信頼度が高い」というメリットがあります。
しかし「気軽に利用しにくい」「料金が高い傾向にある」というデメリットがあるでしょう。
着物専門クリーニング店の「着物クリーニング」のメリットデメリット
最後に、着物専門クリーニング店について見ていきましょう。
専門店ならではのメリットが多いですが、気になるデメリットもありますのでご説明したいと思います。
着物専門クリーニング店は、対面接客型の業者もありますが、ここでは一般的であるネット型のサービスについて見ていきますね。
メリット①気軽に利用できる
1つ目のメリットは、気軽に利用できるということです。
注文、検品確認、見積り確認などメールのやり取りで完結するので気軽に利用できるでしょう。
クリーニング店舗に持ち込みたくても、「仕事が終わる頃には閉まっている…」「店舗に持ち込むのは面倒」という方は多いでしょう。
ネット型なら自宅にいながら利用できるので便利ですね。
また、料金が安いことも気軽に利用できるポイントです。
一般クリーニング店、呉服店、着物専門クリーニング店の料金を比較してみましたのでご覧ください。
一般のクリーニング店 | 白洋舎 | 留袖13,200円、訪問着12,650円、袋帯7,700円 |
ホワイト急便 | 留袖9,500円~、振袖11,500円~、訪問着7,500円~、袋帯6800円~ | |
呉服店 | きもの工芸 大黒屋 | 振袖・留袖13,200円、羽織り6,050円、袋帯6,600円 |
東京ますいわ屋 | 訪問着16,500円、振袖18,700円、帯11,000円 | |
着物クリーニング専門店 | きものtotonoe | 留袖5,830円、訪問着5,,830円、羽織3,960円、袋3,960円 |
着物 わ蔵 | 留袖8,800円、振袖8,800円、羽織り5,720円、袋帯6,600円 |
➤白洋舎
ランダムにお店を選んでいますので、目安として見てくださいね。
傾向として、呉服店と一般のクリーニング店よりも、着物専門クリーニング店のほうが安いことがわかりますね。
料金の安さを重視したいなら着物専門クリーニング店が良いでしょう。
メリット②要望を出しやすい
着物専門クリーニング店は要望を出しやすいというメリットもあります。
一般のクリーニング店や呉服店の場合は、実際にクリーニングをするのは委託業者になるため、実際にクリーニングをする人と直接やりとりをするのは難しいです。
着物専門クリーニング店の場合は自社工場でクリーニングするため、ダイレクトにやり取りできるメリットがあります。
「こんなにひどいシミでも取れますか?」「どの程度きれいになりますか?」「見える部分だけしみ抜きしてください」など、具体的な要望や相談ができるので安心感があるでしょう。
メリット③知識や技術を持っている
着物専門クリーニング店の一番のメリットは、知識や技術を持っているということでしょう。
一般のクリーニング店はクリーニングに関する知識や技術は持っています。
呉服店は着物に関する知識は持ち合わせているでしょう。
しかしどちらも「着物クリーニング」に関する知識や技術を持っているわけではありません。
着物専門クリーニング店の場合は、着物クリーニング一筋の職人が対応するお店が多いので、大切な着物を安心して託すことができますね。
メリット④ひどいシミなどにも対応してもらえる
そのような職人さんが作業を行っているため、ひどいシミなどにも対応してくれるでしょう。
「他社には落とせなかったシミでも落とします」という自信を持っているお店も多いので、古いシミや大きなシミなどでも一度相談してみると良いでしょう。
デメリット①信頼度の高い店だけではない
専門店ということでメリットが多い着物専門クリーニング店ですが、デメリットもあります。
最近はさまざまなタイプの着物専門クリーニング店があります。
そのため、残念ながら信頼度の高い店だけではないというデメリットがあります。
しみ抜きなどの特殊洗いはせずに、ただ丸洗いをするだけ業者や、何枚もまとめて機械で洗うような業者があるのも事実です。
そのため、「着物専門クリーニング店だから大丈夫!」と思って利用したところ、満足できる仕上がりではなかったという失敗の可能性もあります。
デメリット②ネットでのやり取りなので不安
また、着物専門クリーニング店はネット完結で便利な反面、ネットでのやり取りだけなので不安というデメリットもあります。
一般のクリーニング店や呉服店の場合は、直接店舗に持ち込み、受け取ることができます。
その場で仕上がりをチェックすることができるので安心感がありますよね。
着物専門クリーニング店は対面接客ではない不安さを感じる方は多いでしょう。
一般店・呉服店・専門店の特徴を比較まとめ
ここまで、「着物はどこでクリーニングすればいい?」を考えるために、一般のクリーニング店、呉服店、着物専門クリーニング店で着物クリーニングをするメリットデメリットを考えてきました。
まとめると以下になります。
一般のクリーニング店 | 呉服店 | 着物専門クリーニング店 | |
メリット | ・気軽に利用できる ・店舗型なので安心感がある ・素材によっては安心できる |
・仕上がりの良さが期待できる ・ひどいシミなどにも対応してもらえる ・信頼度が高い |
・気軽に利用できる ・要望を出しやすい ・知識や技術を持っている ・ひどいシミなどにも対応してもらえる |
デメリット | ・仕上がりに満足できない場合もある ・料金にバラつきがある |
・気軽に利用しにくい ・料金が高い傾向にある |
・信頼度の高い店だけではない ・ネットでのやり取りなので不安 |
一般のクリーニング店は、着物クリーニングには致命的と言える「仕上がりに満足できない場合がある」というデメリットがあります。
呉服店の場合も「料金が高い」という大きなデメリットがありますね。
一般のクリーニング店も呉服店もメリットはありますが、デメリットがネックになる方は多いでしょう。
一方、着物専門クリーニング店の場合は、まず上表のように着物をクリーニングに出す上で嬉しいメリットが多いです。
「信頼度の高い店だけではない」「ネットのやり取りが不安」というデメリットはありますが、そのようなお店を選ばないようにすれば良いでしょう。
口コミの良い評判のお店、実績のある人気店を選ぶことができれば、賢く利用することができるでしょう。
「たくさんあるお店の中から信頼できるお店を選ぶにはどうしたらいいの?」という問題については、こちらの記事「信頼度の高いおすすめ人気着物クリーニング比較ランキング!」で詳しく解説したいと思います。
また、「口コミや評判の良い着物クリーニング店情報!」では、口コミの良いお店を厳選してご紹介していますのでぜひご参考ください。
着物をクリーニングする時は、信頼度の高い着物専門クリーニング店に出そう
今回は、着物はどこでクリーニングすればいいかという問題を考えてきました。
着物をクリーニングに出す時には、一般のクリーニング店、呉服店、着物専門クリーニング店のいずれかになるでしょう。
それぞれにメリットデメリットがありますが、一般のクリーニング店の場合は「仕上がりに不安」、呉服店には「料金が高い」という致命的なデメリットがあるのでご注意ください。
そのため、着物をクリーニングに出すためには着物専門クリーニング店が無難と言えるでよう。
ただし、着物専門クリーニング店は品質にバラつきがあるため、信頼できる人気店を選ぶことが大切です。
口コミや評判が良いお店、実績のあるお店を選びましょう。